塩コラム

この記事を書いた人:日本ソルトコーディネーター協会代表理事 青山志穂

塩の摂取致死量と計算方法は?

塩(主にナトリウムクロリド)の過剰な摂取は健康に害を及ぼす可能性があります。

人体にとって致死量とされる塩の量は個人差が大きいですが、一般的には成人で体重1kgあたり3gに相当する量を短時間内に摂取した場合、致命的な結果を招く可能性があるとされています。

計算方法としては、自分の体重に3gをかけ算すれば、自分の摂取致死量の目安が分かります。

たとえば、体重60kgの人だと180gの塩を一度に摂取することに相当し、これは大さじ約30杯の塩の相当します。

180gの塩といえば、ちょうど一般的なお醤油1リットルに含まれる食塩相当量と同じくらいです。

普通に食事をしている分には、絶対に摂取できない量なのでご安心ください。

※ただ、体重1kgあたり3gに相当する量を短時間に過剰摂取した場合、死に至るというのは、あくまでも動物実験を行った際の半数致死量(投与した半数が死亡した量)が元になっており、人によっては体重1kgあたり0.5gから5gで中毒症状が出たり、死亡する例もあるとされています。過去には、保育園で2015年に1歳女児が小さじ1杯ほどの約5グラム入った飲み物を与えられ食塩中毒で死亡する事件も起きているようです。1歳児の平均体重は10kg前後ですから、1キロ当たり0.5gの摂取でもリスクがある計算となります。必ずしも人体でそうなると確定しているものではありませんが、人間における塩分の摂取量や危険水準を定める際に、動物実験の結果に加えて臨床データや疫学データ等も総合的に考慮されて発表されています。

「食塩中毒」で1歳児が死亡! 200gの「食塩」を摂取して自殺した成人も

私のYouTubeチャンネルでもショート動画(60秒)でわかりやすく解説していますのでご覧ください。

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江頭2:50さんが塩で死にかけた

塩の致死量について注目されるようになったのは、人気YouTuberとしても活躍されている江頭2:50さんが動画の中で興味深い話をされたことがきっかけになっているのではないでしょうか?

実際に塩で死にかけた体験を語っている動画はこちら

本当に死ぬかと思った仕事ベスト3!

江頭2:50さんは2000年に「ぷっすま」の企画「石垣島1泊2日無銭タイアップツアー」収録で石垣島にロケに行ったそうです。

石垣島の塩のPRを依頼されて「この塩うめぇぞ!絶対美味しいからな!」と片手一杯の塩を口に入れたそうです。

口に入れたあとに、吐くことも取り出すこともできなくなって、死にそうになったと語っています。

このとき江頭2:50さんは手の平でひとつかみしていますので、口に入れた塩の量はだいたい50g~60g程度だったのではないかと想像できます。

江頭2:50さんの体重はネットの情報によると66kgとなっていますから、約198gが致死量になります。

50~60gほどでは江頭2:50さんにとっての致死量とまでは行かない量ですが、急性症状を発症するだけの量だったのかもしれません。

命の危険を感じたほどヤバい状況だったようです。

大量の塩を口に入れたあと、吐くことも取り出すこともできなくなってしまったと言います。

塩を一度に大量摂取することは非常に危険なのでやめましょう。

「巨大ペヤングの食塩量は24.6gだから致死量」は間違い?

巨大ペヤングが発売された当初、とても話題になり、多くの人気YouTuberさんたちがネタ動画を投稿していました。

その動画をみた人たちが、巨大ペヤングの食塩量が24.6gとのことから、「致死量相当の塩が入っている」などとネットに書きこんでいるようですが、体重60kgの人の塩分の致死量が30gという表記は正しい数字とは言えません。

過剰な表現になっていると思います。

そもそも、致死量相当の食塩量が入っている商品を大手食品メーカーが発売するはずがありません。

もちろん、塩分摂取による致死量には個人差がありますので、体重1kgあたり3gというのはあくまでも、一般的な目安であり、半数致死量(投与した動物が半数死んでしまう量のこと)が1kgあたり3gということですから、通常の成人が巨大ペヤングを一人で食べても食塩致死量の摂取にはならないと考えるのが一般的です。

 

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塩を過剰摂取するとどうなる?急性症状とは?

塩の過剰摂取は、高ナトリウム血症や高カリウム血症などを引き起こす可能性が高く、急性の状態としては脱水症状、イオンの不均衡、血中ナトリウム濃度の異常な上昇を引き起こし、最悪の場合は死に至ることがあります。

また、長期的な影響としては、高血圧、心臓病、腎疾患などのリスクが高まるとされています。

塩の適切な摂取量については、塩の質によっても人それぞれの体調・体質によっても大きく一概には何gとればいいとは言えませんが、世界保健機関(WHO)の規定によれば一日の推奨摂取量については、成人で1日に5グラム(小さじ約1杯)以下の塩の摂取を推奨しています。

一日の推奨摂取量については、世界保健機関(WHO)は成人で1日に5グラム(小さじ約1杯)以下の塩の摂取を推奨している

しかし、重要なのは、無意味な減塩ではなく、塩分摂取量を適切に管理し、バランスの取れた食事を心がけることです。

塩化ナトリウムだけの塩のみが使用されることが多い加工食品や外食に含まれる隠れた塩分に注意し、自宅での調理では質の良い塩を適量使うことを心がけましょう。

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実際に短時間に塩を過剰摂取して死亡した事件はあるの?

塩を過剰に摂取して死亡した事例は過去に報告されています。

塩の過剰摂取による死亡は、血中のナトリウム濃度が異常に高い状態や水分の失調によって起こり得ます。

これは、特に大量の塩を非常に短時間で摂取した場合に発生するリスクがあります。

一般的な事例としては、賭けや挑戦、または誤って大量の塩を摂取した場合などが挙げられます。

具体的な事例についての詳細は、個人のプライバシー保護や様々な要因により一概に公開されるものではありませんが、メディア報道や医学文献では時折、塩の過剰摂取による健康被害や死亡事例について言及されることがあります。

たとえば、小さな子供が誤って大量の塩を摂取した事例や、成人が賭けや挑戦の一環として大量の塩を摂取し、深刻な健康問題を引き起こした事例が報告されています。

小さな子供が誤って大量の塩を摂取した事例

これらの事例から学ぶべき重要な教訓は、塩を含む全ての食品の摂取は適量に留め、特に一度に大量に摂取することは避けるべきであるということです。

また、食品の誤飲や異常な食行動には特に注意が必要です。

大量の塩をいたずら目的に使うのはとても危険なのでやめましょう。

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補足説明

❶ナトリウムクロリドとは?

ナトリウムクロリドは、化学式NaClで表される化合物で、一般的には食塩または塩として知られています。

ナトリウムイオン(Na+)とクロリドイオン(Cl-)から構成されており、これらのイオンはイオン結合によって結びついています。

ナトリウムクロリドは自然界に広く分布しており、海水、岩塩(地下の塩の鉱床)、塩湖などに見られます。

ナトリウムクロリドは自然界に広く分布しており、海水、岩塩(地下の塩の鉱床)、塩湖などに見られます。

ナトリウムクロリドは人間の生活において非常に重要な役割を果たしています。

主に食品の調味料として使用されるほか、食品の保存や味の強化にも役立ちます。

また、工業的には化学原料としても広く利用されており、塩化ナトリウム水溶液(食塩水)を電気分解することで、塩素ガスや水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)、水素ガスなどが製造されます。

これらの化学物質は、プラスチック、紙、石鹸、洗剤、テキスタイルなど、さまざまな製品の製造に不可欠です。

人体においても、ナトリウムクロリドは重要な役割を持っています。

体内のナトリウムとクロリドは、血液の浸透圧を維持したり、神経伝達や筋肉の収縮に関与するなど、生理的機能の正常な維持に必要です。

しかし、過剰に摂取すると血圧の上昇など健康上の問題を引き起こす可能性があるため、適切な量の摂取が推奨されています。

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❷ナトリウムクロリドと塩化ナトリウムは違うもの?

ナトリウムクロリドと塩化ナトリウムは、実際には同じ化合物を指します。

化学式NaClで表されるこの物質は、ナトリウムイオン(Na+)とクロリドイオン(Cl-)から構成されており、一般に「塩」として知られています。

化学式NaClを表す画像を生成しました。 Sodium(ナトリウム)とChlorine(塩素)の元素が、それらの結合を明確に表す方法で強調表示されています。

“ナトリウムクロリド”は化学的な名称であり、”塩化ナトリウム”はその組成を指す別の表現方法ですが、どちらも同じ物質を示しています。

この混乱の一部は、化合物の命名規則に起因しています。

伝統的な無機化学の命名法では、陰イオン(この場合はクロリド)を含む化合物は”塩化”のような接頭辞を使って表されることがあります。

したがって、”塩化ナトリウム”という名前は、ナトリウムがクロリドイオンと結合していることを示しています。

慣用的には、料理や日常生活で使用される際には「塩」や「食塩」と呼ばれ、化学や工業的な文脈では「ナトリウムクロリド」や「塩化ナトリウム」と呼ばれることが多いですが、これらはすべて同じ化学物質を指しています。

 

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