塩コラム

【塩の豆知識】「ミネラル豊富な塩」という表現について

執筆者:青山志穂

メディアなどでよく目に、耳にする「ミネラル豊富な塩」という表現。
実はこれ、一部間違っているということをご存知でしょうか?
今回はそれについて解説していきたいと思います。

塩はそもそも、岩塩にしろ、海水塩にしろ、湖塩にしろ、おおもとをたどればすべて海水が原料です。なんらかの形で結晶化したものが塩になります。

海水には地球上の元素がすべて含まれており、その中でも特に多いナトリウムやマグネシウム、カリウム、カルシウムの4つのミネラルと、それ以外の微量元素が塩を構成する主な要素で、塩の結晶の中にそれぞれが含まれるかは、製法等によって決まってきます。ナトリウムが99.5%以上を占めるものもあれば、80%程度のものもあります。

ナトリウムが少なければ、その分ほかのマグネシウムなどのミネラルの構成比が高くなります。よく、これらの「ナトリウム以外のミネラルが豊富に含まれている塩」を指して、「ミネラル豊富な塩」という表現が使われています。

しかし、たとえナトリウムしか入っていない塩であっても、ナトリウムもミネラルなので、「ミネラル豊富」なのです。それに、そもそも「豊富」って、なにに比較して豊富って言っているのでしょうか???

そのベースには、「ほぼナトリウムのみで構成された塩は良くない」という考えがあるように感じています。

私は、塩にはどれも最適な役割があると思っているので、「ほぼナトリウムのみで構成された塩」が悪者だとは思いませんし、もしそれが悪者であるならば、いわゆる自然塩と呼ばれる塩の中にも、ほとんどナトリウムだけで構成された塩がたくさんあるのはどう説明するのか?とも思います。

どんな塩も、誰かが一生懸命人生をかけて作ってくれた塩です。惑わされることなく、的確な情報と知識を以て、適切な用途を判断していきたいものです。